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英語論文の査読コメントへの返信で使える丁寧フレーズ

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英語論文の査読コメントへの返信で使える丁寧フレーズ

英語での学術論文執筆は、研究者にとって大きな挑戦の一つです。特に、ジャーナルへの投稿後に受け取る査読者(Reviewer)からのコメントへの返信は、非常に神経を使うプロセスではないでしょうか。「指摘はありがたいけれど、どう返信すればいいのか…」「反論したいけど、失礼にならないだろうか?」そんな悩みを抱える方も多いはずです。

この記事では、そんなあなたのために、英語論文の査読コメントに対して、丁寧かつ的確に返信する際に役立つ英語フレーズを状況別に詳しく解説します。この記事を読めば、自信を持って、建設的なやり取りができるようになり、論文アクセプトへの道を切り拓く手助けとなるでしょう。

査読返信の基本マインドセットと構成

具体的なフレーズに入る前に、査読コメントへの返信における最も重要な心構えと、返信レター(Response to Reviewers)の基本的な構成について確認しましょう。この土台を理解することが、スムーズなコミュニケーションの第一歩です。

まず心構えとして、「査読は論文を改善するための共同作業である」という意識を持つことが大切です。査読者は敵ではなく、あなたの研究をより良くするための貴重なアドバイスをくれる協力者です。たとえ厳しい指摘があったとしても、感情的にならず、まずはコメントをくれたことに感謝の意を示し、真摯に向き合う姿勢が求められます。

次に、返信レターの基本的な構成は以下のようになります。

  1. 冒頭の挨拶と感謝: 編集者と査読者への感謝を述べます。
  2. 全体的な修正方針の要約: 査読者のコメントを受けて、論文全体をどのように改善したかを簡潔にまとめます。
  3. 各コメントへの個別回答(Point-by-Point Response): これが返信レターの核となる部分です。査読者のコメントを一つずつ引用し、それに対してどのように対応したか(修正したか、あるいは反論するか)を具体的に記述します。
  4. 結びの言葉: 再度の感謝と、修正稿の検討をお願いする言葉で締めくくります。

この「Point-by-Point」形式を徹底することで、どのコメントにどう対応したかが一目瞭然となり、編集者や査読者に丁寧で論理的な印象を与えられます。面倒でも、一つ一つのコメントに誠実に対応する姿勢を見せることが、最終的なアクセプトに繋がる鍵となります。

【状況別】感謝と同意を示す丁寧フレーズ

査読者のコメントの多くは、論文を改善するための建設的な提案です。まずは感謝を伝え、指摘に同意して修正する際の基本的なフレーズをマスターしましょう。これにより、コミュニケーションが円滑に進みます。

まずは感謝を伝えるフレーズ

どんなコメントに対しても、まずは感謝の言葉から始めるのがマナーです。これにより、相手に敬意を払い、ポジティブな対話の雰囲気を作ることができます。

  • We thank the reviewer for the insightful comments. (洞察に富んだコメントに感謝いたします。)
  • We appreciate the reviewer’s valuable feedback. (査読者の貴重なフィードバックに感謝いたします。)
  • Thank you for your constructive suggestions, which have helped us improve the quality of our manuscript. (私たちの原稿の質を向上させる助けとなった建設的なご提案に感謝します。)

コメントに同意し、修正を約束するフレーズ

査読者の指摘が的確で、それに従って原稿を修正する場合に使う表現です。同意の意を明確に示し、具体的にどう修正したかを述べることが重要です。

  • We agree with the reviewer's point and have revised the manuscript accordingly. (査読者のご指摘に同意し、それに応じて原稿を修正いたしました。)
  • This is an excellent point. We have now included this information in the Introduction section. (素晴らしいご指摘です。この情報を序論のセクションに含めました。)
  • As suggested by the reviewer, we have performed an additional analysis and added the results to Figure 3. (査読者のご提案通り、追加の分析を行い、その結果を図3に加えました。)

誤字脱字など簡単な修正に使えるフレーズ

タイポや文法ミスなど、軽微な修正については、簡潔に報告するだけで十分です。

  • We have corrected the typos as pointed out. Thank you for catching them. (ご指摘の通り、誤字を修正しました。見つけていただきありがとうございます。)
  • We have revised the sentence to improve clarity as suggested. (ご提案通り、より明確になるよう文章を修正しました。)

【状況別】反論・意見を述べる際の丁寧フレーズ

査読者のコメントが、自分の研究の意図と異なっていたり、解釈に誤解があったりする場合、丁重に反論する必要があります。感情的にならず、あくまで論理的かつ客観的な根拠に基づいて意見を述べることが極めて重要です。

丁重に反論するためのクッション言葉

いきなり「それは違う」と否定するのではなく、相手の意見に敬意を払いつつ、自分の見解を述べるためのクッションとなる表現を使いましょう。

  • We respectfully hold a different view on this point for the following reasons. (敬意を表しつつも、この点については以下の理由から異なる見解を持っております。)
  • While we appreciate the reviewer’s perspective, we believe that our original interpretation is better supported by the data. (査読者のお考えに感謝いたしますが、私たちの当初の解釈の方がデータによってより良く支持されていると考えております。)
  • We understand the reviewer's concern. However, we would like to argue that... (査読者のご懸念は理解できます。しかしながら、私たちは…と主張したいと思います。)

追加説明で理解を求めるフレーズ

反論の理由を明確に伝えるためには、なぜそう考えるのかを丁寧に説明する必要があります。誤解を解き、自身の論理を補強するフレーズです。

  • Perhaps our original phrasing was unclear. We have rephrased the section to better explain our reasoning on page X, lines Y-Z. (おそらく私たちの元の表現が不明瞭だったかと存じます。私たちの論拠をより良く説明するため、XページのY-Z行のセクションを書き直しました。)
  • We would like to clarify that our study focuses on X, not Y. Therefore... (私たちの研究はYではなくXに焦点を当てていることを明確にさせてください。したがって…。)

修正が難しい場合の理由説明フレーズ

査読者から追加実験などを求められたものの、研究の範囲やリソース的に対応が難しい場合もあります。その際は、正直に理由を説明することが誠実な対応です。

  • Although this is an excellent suggestion, performing this additional experiment is beyond the scope of the current study. We have added this as a direction for future work in the Discussion section. (素晴らしいご提案ですが、この追加実験の実施は本研究の範囲を超えております。今後の研究の方向性として、考察のセクションに追記いたしました。)
  • We agree that this analysis would be interesting. However, we do not have the necessary data to perform it at this time. (この分析が興味深いものであることには同意します。しかしながら、現時点ではそれを実施するために必要なデータを持ち合わせておりません。)

返信レター作成に役立つツールと最終チェック

質の高い返信レターを効率的に作成するために、便利なツールやリソースを活用するのも一つの手です。また、提出前の最終チェックも怠らないようにしましょう。

まず、英文の品質を保証するために、文法・スペルチェックツールは必須です。有名なものには Grammarly があり、無料版でも基本的なミスを十分に検出してくれます。より自然な表現を提案してくれる有料版も、頻繁に論文を執筆するなら投資価値があるでしょう。

また、専門用語のニュアンスに不安がある場合は、AI翻訳ツールの DeepL が役立ちます。日本語で意図を整理し、それを英語に翻訳して、表現の参考にすることができます。ただし、機械翻訳をそのまま使うのではなく、必ず自分の言葉で確認・修正するプロセスが重要です。

論文執筆支援サービス、例えば EditageEnago といったサイトでは、論文の校正だけでなく、査読コメントへの返信レター作成をサポートするサービスも提供しています。これらは有料ですが、どうしても自信がない場合や、重要な論文を確実にアクセプトさせたい場合には、専門家の助けを借りるという選択肢もあります。

最後に、返信レターを提出する前の最終チェックリストです。

  • 全てのコメントに漏れなく対応しているか?
  • トーンは一貫して丁寧でプロフェッショナルか?
  • 感謝の意は十分に示されているか?
  • 反論は客観的な根拠に基づいているか?
  • 修正箇所は原稿内で明確に示されているか? (例: `page 5, line 10`)
  • 誤字脱字や文法的な誤りはないか?

まとめ:自信を持って査読プロセスを乗り越えよう

英語論文の査読コメントへの返信は、決して簡単な作業ではありません。しかし、適切な心構えと丁寧な表現を身につければ、査読者と建設的な対話を行い、論文の質を飛躍的に高める絶好の機会となります。

今回ご紹介したフレーズや構成のポイントを参考に、感謝の気持ちを忘れず、誠実かつ論理的に対応することを心がけてください。査読プロセスは、あなたの研究を世界に発信するための重要なステップです。自信を持って、この挑戦を乗り越えていきましょう!

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