英語テストの最新情報を毎日更新中!
学習法
10分

もう忘れない!科学的根拠に基づく効果的な英単語の覚え方

#英単語#暗記法#記憶術#学習効率#ボキャブラリー
もう忘れない!科学的根拠に基づく効果的な英単語の覚え方

英語学習を進める上で、語彙力はリーディング、リスニング、スピーキング、ライティング全てのスキルの基礎となります。 しかし、「単語を覚えてもすぐに忘れてしまう」「単語帳を続けるのが苦痛」といった悩みを抱える学習者は少なくありません。 実は、効果的な英単語の覚え方には科学的な根拠に基づいたコツがあります。 この記事では、記憶の仕組みを理解し、忘れにくく効率的な英単語学習法を具体的に解説します。

なぜ単語を忘れてしまうのか?記憶のメカニズム

単語を覚えても忘れてしまうのは、脳の自然な働きです。 私たちの記憶には、短期記憶長期記憶があります。

  • 短期記憶: 一時的に情報を保持する記憶。容量が限られており、新しい情報が入ってくると古い情報は忘れ去られます。単語帳をパラパラとめくっただけでは、多くの場合、単語は短期記憶にしか残りません。
  • 長期記憶: 長期間にわたって情報を保持する記憶。情報が重要だと脳が判断したり、繰り返し触れたりすることで、短期記憶から長期記憶へと移行します。英単語学習の目標は、単語をこの長期記憶に定着させることです。

ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが提唱した「忘却曲線」によると、人は学習した内容を1時間後には約56%、1日後には約74%も忘れてしまうとされています。 つまり、一度覚えただけでは忘れるのが当たり前なのです。重要なのは、忘れることを前提とした上で、適切なタイミングで復習することです。

ポイント:

  • 覚えた単語は忘れるのが自然。
  • 目標は単語を「長期記憶」に定着させること。
  • 忘れる前に復習することが重要。

科学的根拠に基づく効果的な覚え方5選

長期記憶に効率よく単語を定着させるための、具体的な学習法を紹介します。

1. 分散学習 (Spaced Repetition)

一度に長時間集中して覚える「集中学習」よりも、学習時間を分散させる「分散学習」の方が記憶の定着に効果的です。 忘却曲線に基づき、忘れかけるタイミングで復習するのがポイントです。

  • 具体的な方法:
    • 学習した翌日、3日後、1週間後、2週間後、1ヶ月後…というように、徐々に復習の間隔を空けていきます。
    • Ankiなどの分散学習アルゴリズムを採用したフラッシュカードアプリを活用すると、最適な復習タイミングを自動で管理してくれます。
    • 市販の単語帳を使う場合でも、自分で復習スケジュールを立てて実践しましょう。
  • なぜ効果的か?: 忘れかけた情報を思い出す努力(想起)を繰り返すことで、記憶が強化され、長期記憶に移行しやすくなります。

2. アクティブリコール (Active Recall)

単語帳をただ眺める(受動的な学習)のではなく、積極的に情報を思い出そうとする学習法です。 テスト形式で学習することで、記憶の定着率が飛躍的に向上することが研究で示されています。

  • 具体的な方法:
    • 単語帳の日本語訳を見て英単語を答える、またはその逆を行う。
    • 単語リストを見て、その意味や使い方を何も見ずに書き出す。
    • 自分で簡単な小テストを作成して解く。
    • フラッシュカードアプリのテスト機能を使う。
  • なぜ効果的か?: 思い出すという行為(想起)自体が、脳にとって強力な記憶強化プロセスとなるためです。

3. チャンク化 (Chunking) と文脈学習

単語を単体で覚えるのではなく、関連する情報と結びつけたり、意味のある塊(チャンク)で覚えたりする方法です。

  • 具体的な方法:
    • 例文で覚える: 単語が実際にどのように使われるかを理解し、文脈の中で覚えることで、記憶に残りやすく、実践的な使い方も身につきます。単語帳を選ぶ際は、質の高い例文が載っているものを選びましょう。
    • フレーズで覚える: 「take care of」「look forward to」のようなよく使われるフレーズ(チャンク)で覚えます。
    • 関連語とセットで覚える: 類義語(例: important, significant, crucial)、対義語(例: increase, decrease)、同じカテゴリの単語(例: apple, banana, orange)などをまとめて覚えます。
    • 語源で覚える: 接頭辞(例: un-, re-, pre-)、接尾辞(例: -tion, -ly, -able)、語根の意味を知ることで、未知の単語の意味を推測したり、体系的に覚えたりする助けになります。
  • なぜ効果的か?: バラバラの情報よりも、意味のある塊や関連付けられた情報の方が、脳は記憶しやすいためです。

4. イメージ化・五感の活用 (Visualization & Multi-sensory Learning)

単語の意味を具体的なイメージと結びつけたり、音読するなど五感を使ったりして覚える方法です。

  • 具体的な方法:
    • イメージで覚える: 単語の意味を表す情景やイラストを頭の中で思い浮かべます。特に抽象的な単語も、具体的な状況と結びつけると覚えやすくなります。(例: 「 diligent(勤勉な)」→ 一生懸命デスクワークをしている人の姿をイメージする)
    • 音読する: 単語を声に出して読むことで、視覚だけでなく聴覚も刺激され、記憶に残りやすくなります。正しい発音を意識しましょう。
    • 手で書く: 実際に単語を書いてみることも、記憶の定着に役立ちます(ただし、効率は他の方法に劣る場合もあります)。
  • なぜ効果的か?: 複数の感覚を使うことで、脳の様々な領域が活性化され、記憶のネットワークが強化されるためです。

5. 睡眠の活用 (Sleep Learning)

意外かもしれませんが、睡眠は記憶の定着に非常に重要な役割を果たしています。 寝ている間に、脳はその日に学習した情報を整理し、長期記憶へと移行させます。

  • 具体的な方法:
    • 寝る前に少しだけ単語の復習をする。(ただし、寝る直前の激しい学習は逆効果になることもあります)
    • 十分な睡眠時間を確保する。睡眠不足は記憶力や集中力の低下を招きます。
  • なぜ効果的か?: 睡眠中に記憶の整理と強化(レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル)が行われるため、学習内容が定着しやすくなります。

学習を継続するためのヒント

  • 目標設定: 1日に覚える単語数や、いつまでに何語覚えるかなど、具体的で達成可能な目標を設定しましょう。
  • 習慣化: 毎日決まった時間に学習するなど、単語学習を生活の一部に取り入れましょう。通勤・通学時間などのスキマ時間を活用するのも有効です。
  • 楽しむ工夫: ゲーム感覚で学習できるアプリを使ったり、好きな洋楽や映画で出てきた単語を調べたりするなど、楽しみながら学習する方法を見つけましょう。
  • 完璧主義にならない: 一度で完璧に覚えようとせず、「忘れるのは当たり前」と考え、繰り返し触れることを重視しましょう。

まとめ

効果的な英単語の覚え方は、単に根性で暗記することではありません。 記憶の仕組みを理解し、分散学習、アクティブリコール、文脈学習、イメージ化、そして質の高い睡眠といった科学的根拠のある方法を取り入れることで、学習効率は格段に向上します。 自分に合った方法を見つけ、継続することで、着実に語彙力を伸ばしていきましょう。

この記事は参考になりましたか?

トレモック情報局が提携する「ToreMock」では、学習法の本番さながらの模試を提供しています。 リアルな形式で実力を測り、効率的に学習を進めましょう。

学習法の模試を受ける