TOEFL iBT®のWritingセクションは、アカデミックな状況で英語を効果的に使う能力を測定します。 高得点を獲得するには、単に文法的に正しいだけでなく、論理的な構成力、明確な主張、そして適切な語彙と表現力が求められます。 このセクションはIntegrated TaskとIndependent Taskの2つのタスクで構成されており、それぞれ異なるスキルが必要です。 この記事では、両タスクの概要、効果的な対策、テンプレートの活用法、そして採点基準に基づいた注意点を詳しく解説します。

Writingセクションの概要

• 試験時間: 合計 約50分
• タスク構成:
  • Integrated Task (統合型): 約20分
  • Independent Task (独立型): 約30分
• 評価基準: 内容の展開、構成、語彙・文法の正確性と適切性など。

Task 1: Integrated Writing (統合型)

Integrated Taskでは、まず学術的なトピックに関する短い文章を読み（約3分）、次に同じトピックに関する短い講義を聞きます。 その後、講義の内容が文章の内容とどのように関連しているか（通常は対立または補強）を要約して記述します（約20分、推奨150-225語）。 リーディングとリスニングの内容を正確に理解し、それらを関連付けて分かりやすく説明する能力が問われます。

Integrated Task 攻略のポイント

1. リーディングの要点把握:
   • 主題（Main Idea）と、それを支持する主要なポイント（Supporting Points / Key Arguments）を特定します。通常、主題は最初の段落に、支持点は各段落の冒頭にあることが多いです。
   • メモを取る際は、ポイントだけでなく、簡単な理由や例も書き留めておくと後で役立ちます。
2. リスニングの要点把握:
   • 講義者がリーディングの各ポイントに対してどのように反論（または補強）しているかに集中します。
   • 具体的な反論の理由、例、詳細情報を聞き取り、メモします。話し手の口調や強調する言葉にも注意しましょう。
   • リーディングのメモと対応させながらメモを取ると、後の構成が楽になります。
3. 構成とテンプレートの活用:
   • 効果的なエッセイは明確な構成を持ちます。一般的な構成は以下の通りです。
     1. 導入 (Introduction): リーディングとリスニングの主題、および両者の関係性（例: 講義が文章に反論している）を簡潔に述べます。
     2. ボディ (Body Paragraphs): リーディングの各ポイントと、それに対応するリスニングの反論（または補強）を段落ごとに記述します。通常2〜3つのボディパラグラフを作成します。 各段落で「リーディングの主張 → リスニングの反論/補強 → その理由/詳細」という流れを意識します。
     3. 結論 (Conclusion - Optional): 必須ではありませんが、時間があれば、再度両者の関係性を簡単にまとめても良いでしょう。ただし、ボディパラグラフを充実させる方が優先です。
   • テンプレートを活用することで、構成をスムーズにし、時間内に書き上げる助けになります。以下は一例です。

     【導入テンプレート例】

     The reading passage discusses [リーディングの主題], presenting [数字] main points to support it. However, the lecturer in the listening passage challenges these points, arguing that [リスニングの主題、リーディングとの対立関係].

     【ボディパラグラフテンプレート例（反論の場合）】

     First, the reading states that [リーディングのポイント1]. The lecturer, however, casts doubt on this by explaining that [リスニングの反論1]. According to the speaker, [反論の理由や詳細]...

     Second, the passage claims that [リーディングのポイント2]. In contrast, the lecturer contends that [リスニングの反論2]. He/She elaborates on this by mentioning that [反論の理由や詳細]...

     Finally, the reading suggests that [リーディングのポイント3]. The speaker refutes this argument by providing evidence that [リスニングの反論3]. He/She points out that [反論の理由や詳細]...

4. 言い換え (Paraphrasing): リーディングやリスニングの内容をそのまま書き写すのではなく、自分の言葉で言い換えることが重要です。同義語を使ったり、文の構造を変えたりする練習をしましょう。
5. 接続詞・表現の活用: 段落間や文と文のつながりをスムーズにするために、適切な接続詞（However, In contrast, Furthermore, Moreover, Thereforeなど）や表現（casts doubt on, refutes, argues that, points outなど）を使いましょう。

Integrated Task 注意点

• 自分の意見は書かない: このタスクでは、リーディングとリスニングの内容を客観的に要約することが求められます。自分の意見や解釈は含めないでください。
• 時間配分: メモ取り、構成、執筆、見直しの時間を意識しましょう。特にリスニング後の執筆時間は限られています。
• タイピング速度: ある程度のタイピング速度がないと時間内に書き終えるのが難しくなります。日頃から練習しておきましょう。

Task 2: Independent Writing (独立型)

Independent Taskでは、提示されたトピックについて、自分の意見とその理由を記述します（約30分、推奨300語以上）。 特定の質問形式（同意/反対、好み、比較など）が与えられ、それに対して明確な立場を示し、具体的な理由や例で説得力のある論を展開する必要があります。

Independent Task 攻略のポイント

1. 設問の理解と立場決定:
   • 設問が何を求めているか（同意/反対、どちらが好きか、など）を正確に理解します。
   • 素早く自分の立場（意見）を決めます。どちらの立場でも構いませんが、理由や具体例を思いつきやすい方を選びましょう。無理に本心と合わせる必要はありません。
2. ブレインストーミングとアウトライン作成:
   • 自分の立場を支持する理由を2〜3つ考え出します。
   • それぞれの理由について、具体的な経験、例、詳細などを考えます。抽象的な理由だけでなく、具体性が重要です。
   • 簡単なアウトライン（構成メモ）を作成します。導入、各ボディパラグラフの主題文（理由）、結論の要点を書き留めます。これにより、論理的な流れを保ちやすくなります。
3. 明確な構成:
   • 一般的に以下の5段落構成が推奨されます。
     1. 導入 (Introduction): 背景を軽く述べ、設問に対する自分の明確な立場（意見）をThesis Statementとして提示します。これから述べる理由に軽く触れても良いでしょう。
     2. ボディ1 (Body Paragraph 1): 最初の理由を主題文（Topic Sentence）として述べ、具体的な経験や例、詳細でサポートします。
     3. ボディ2 (Body Paragraph 2): 二番目の理由を主題文として述べ、同様に具体的なサポートを加えます。
     4. ボディ3 (Body Paragraph 3 - Optional): 可能であれば三番目の理由を追加するか、譲歩（反対意見に少し触れてから再反論）の段落を入れて議論を深めることもできますが、必須ではありません。2つの強力なボディパラグラフの方が効果的な場合もあります。
     5. 結論 (Conclusion): Thesis Statement（自分の立場）を別の言葉で再度述べ、述べた理由を簡潔に要約します。新しい情報を加えないように注意します。
   • テンプレートを活用すると構成が安定します。

     【導入テンプレート例（同意/反対）】

     The question of whether [トピック] is a subject of ongoing debate. While some people argue that [反対意見の簡単な言及 - Optional], I personally believe that [自分の明確な立場/意見]. There are several reasons for my stance, including [理由1] and [理由2].

     【ボディパラグラフテンプレート例】

     First and foremost, [理由1を示す主題文]. For instance, [具体的な経験、例、詳細]. [経験や例の説明を続ける]. This example clearly illustrates why [理由1が自分の立場を支持する理由].

     Furthermore, [理由2を示す主題文]. To illustrate this point, consider [具体的な経験、例、詳細]. [経験や例の説明を続ける]. Therefore, it is evident that [理由2が自分の立場を支持する理由].

     【結論テンプレート例】

     In conclusion, based on the reasons discussed above, such as [理由1の要約] and [理由2の要約], I strongly maintain that [自分の立場/意見の再表明]. [簡単な締めくくりの一文 - Optional].

4. 語彙と表現の多様性: 同じ単語や表現を繰り返すのではなく、様々な語彙や文構造を用いることで、より洗練された印象を与えます。類義語辞典などを活用して語彙力を強化しましょう。
5. 文法の正確性: 時制の一致、主語と動詞の一致、冠詞の使い方など、基本的な文法ミスを減らすことが重要です。複雑な文構造に挑戦するのも良いですが、正確性を犠牲にしないようにしましょう。
6. 時間管理と見直し: 30分という時間は限られています。アウトライン作成（約3-5分）、執筆（約20-22分）、見直し（約3-5分）の時間配分を意識しましょう。見直しでは、スペルミス、文法ミス、タイポなどをチェックします。

Independent Task 注意点

• 具体性の欠如: 理由が抽象的すぎると説得力が弱まります。常に具体的な例や経験でサポートすることを意識してください。
• 論点のずれ: 設問で問われていることから話がずれないように注意しましょう。アウトラインに従うことが有効です。
• 語数不足: 推奨は300語以上です。語数が少ないと、内容の展開が不十分だと判断される可能性があります。

ライティング力向上のための学習法

• 多読多聴: 質の高い英文に多く触れることで、自然な英語表現や文法構造が身につきます。
• 模範解答の分析: TOEFLの公式ガイドや問題集の模範解答を読み、構成、語彙、表現などを分析しましょう。
• パラフレーズ練習: 同じ意味を異なる表現で言い換える練習をします。
• タイピング練習: スムーズに英文を入力できるように練習します。
• 定期的な実践練習:時間を計って実際に問題を解く練習を繰り返します。可能であれば、添削サービスなどを利用してフィードバックをもらうと効果的です。

まとめ

TOEFL iBT® Writingセクションで高得点を取るためには、各タスクの特性を理解し、適切な戦略に基づいて練習を重ねることが不可欠です。 テンプレートは有効なツールですが、それに頼りすぎず、自分の言葉で論理的に意見を展開する力を養うことが最終的な目標です。 日々の学習を通じて、自信を持ってライティングセクションに臨めるように準備を進めましょう。

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