TOEIC® Listening & Reading Testのリーディングセクション、特にPart 5 (短文穴埋め問題) は、文法と語彙の知識を直接問われるパートです。 全30問と問題数が多く、ここで時間を使いすぎると後のPart 6やPart 7を解く時間が足りなくなってしまいます。 しかし、効率的な解き方と対策を知っていれば、時間短縮と正答率アップの両方を実現することが可能です。 この記事では、TOEIC Part 5を攻略するための具体的な戦略、問題タイプ別の解き方、そして学習のポイントを詳しく解説します。
Part 5 の特徴と重要性
- 問題形式: 短い英文の中に空所があり、4つの選択肢の中から最も適切な語句を選びます。
- 問題数: 30問
- 出題内容: 文法問題と語彙問題が中心。
- 目標解答時間: 1問あたり20秒以内、合計で10分程度を目指すのが理想。
- 重要性:
- リーディングセクション全体の時間配分を左右する。
- 基本的な文法・語彙力の指標となる。
- 対策次第でスコアアップしやすいパートでもある。
Part 5 攻略の基本戦略
- 選択肢を先に見て問題タイプを予測する:
- 選択肢を見ると、その問題が文法問題なのか語彙問題なのか、おおよその見当がつきます。
- 文法問題の例: 同じ単語の異なる形(例: develop, developing, development, developed)が並んでいる場合は、品詞や時制、態などを問う文法問題である可能性が高いです。
- 語彙問題の例: 品詞は同じでも意味の異なる単語(例: affect, effect, influence, impact)が並んでいる場合は、文脈に合った適切な単語を選ぶ語彙問題です。
- 問題タイプを予測することで、どこに注目して問題を解くべきかが明確になります。
- 空所の前後を重点的に読む:
- 特に文法問題では、空所の前後にある単語(主語、動詞、前置詞、接続詞など)が正解を選ぶための重要なヒントになります。
- 文全体を読まなくても、空所の前後だけで解ける問題も少なくありません。時間短縮のため、まずは空所周辺に注目しましょう。
- ただし、語彙問題や複雑な文法問題では、文全体の意味を理解する必要がある場合もあります。
- 瞬時に判断できない問題は一旦飛ばす:
- 目標は1問20秒以内です。考えても分からない問題に時間をかけすぎるのは禁物です。
- 少し考えても答えが思い浮かばない場合は、印をつけて一旦飛ばし、他の問題を解き終えてから戻ってくるのが賢明です。
- 全ての問題を解き終えることを優先しましょう。
- 消去法を活用する:
- 正解がすぐに分からなくても、明らかに間違っている選択肢を消していくことで、正解を選びやすくなります。
- 特に文法問題では、「この品詞はここには入らない」「この時制はおかしい」といった根拠を持って選択肢を消去できます。
問題タイプ別攻略法
Part 5の問題は、大きく「文法問題」と「語彙問題」に分けられます。それぞれの攻略法を見ていきましょう。
1. 文法問題
文構造や単語の形に関する知識が問われます。
- 品詞問題: 空所にどの品詞(名詞、動詞、形容詞、副詞など)が入るかを判断する問題。
- 攻略法: 空所の前後の単語とのつながりを見ます。例えば、冠詞(a/an/the)や所有格(my/his/its)の後ろ、前置詞の後ろには名詞が来ることが多いです。be動詞や知覚動詞の後ろには形容詞が来ることがあります。動詞を修飾するのは副詞です。文全体の構造(主語(S)、動詞(V)、目的語(O)、補語(C))を意識すると判断しやすくなります。
- 例: The company reported a significant ___ in profits. (選択肢: increase, increasing, increasingly, increased) → 形容詞 significant の後ろなので名詞の increase が正解。
- 動詞の形問題: 時制、態(能動態/受動態)、原形/不定詞/動名詞など、適切な動詞の形を選ぶ問題。
- 攻略法: 主語との一致(単数/複数)、文脈を示す時制表現(yesterday, next week, currently など)、受動態か能動態か(目的語があるか、意味的に「〜される」か)、特定の動詞の後ろに来る形(例: enjoy -ing, decide to do)などを確認します。
- 例: All employees are required ___ the safety training. (選択肢: attend, attending, to attend, attended) → be required の後ろなので to 不定詞の to attend が正解。
- 代名詞問題: 人称代名詞、所有格、再帰代名詞、指示代名詞など、適切な代名詞を選ぶ問題。
- 攻略法: 指している名詞(先行詞)が単数か複数か、文中の役割(主格、所有格、目的格)は何かを確認します。文脈から指す対象を特定する必要がある場合もあります。
- 前置詞・接続詞問題: 文脈に合った適切な前置詞や接続詞を選ぶ問題。
- 攻略法: 前置詞は名詞との組み合わせ(熟語)、接続詞は文と文の関係(順接、逆接、原因、結果など)を理解しているかがポイントです。意味だけでなく、接続詞の後ろの形(文が来るか、句が来るか)も重要です。
- 例: ___ it was raining, the event was not cancelled. (選択肢: Despite, Although, Because, Therefore) → 後ろに文(S+V)が続き、逆接の意味なので Although が正解。
- 比較・関係詞問題: 比較級・最上級の形や、関係代名詞・関係副詞の使い分けを問う問題。
- 攻略法: 比較の対象、than の有無、the の有無などを確認します。関係詞は先行詞が人か物か、関係詞節内での役割(主格、目的格、所有格)を確認します。
2. 語彙問題
文脈に最も適した単語や熟語を選ぶ問題です。
- 単語の意味問題: 似たような意味を持つ単語の中から、文脈に最も合うものを選ぶ問題。
- 攻略法: 空所の前後だけでなく、文全体の意味を正確に把握する必要があります。単語のニュアンスの違いや、よく一緒に使われる単語(コロケーション)の知識が役立ちます。
- 例: The new policy will ___ affect employee morale. (選択肢: significantly, politely, annually, mutually) → 文脈から「大きく影響する」という意味が適切なので significantly が正解。
- 熟語・慣用句問題: 特定の動詞や名詞と結びつく前置詞や副詞などを問う問題。
- 攻略法: これは知識問題なので、知っているかどうかが大きいです。日頃からよく使われる熟語や慣用句を覚えておく必要があります。
- 例: Please refrain ___ smoking in this area. (選択肢: from, to, with, on) → refrain from -ing (~するのを控える) という熟語を知っていれば from が選べます。
効果的な学習法
- 公式問題集や模試を解きまくる: Part 5は問題パターンがある程度決まっています。多くの問題に触れることで、頻出の文法項目や語彙、解法のパターンを掴むことができます。時間を計って解く練習も重要です。
- 間違えた問題の徹底分析: なぜ間違えたのか、正解の根拠は何かを必ず確認します。文法事項や知らなかった単語・熟語はノートにまとめ、復習しましょう。
- 文法書の通読・復習: 特に苦手な文法項目があれば、文法書で基礎から確認し直しましょう。
- 単語・熟語帳の活用: TOEIC頻出の単語や熟語を覚えることは必須です。単語帳を繰り返し学習し、語彙力を強化しましょう。例文の中で覚えるのが効果的です。
- 時間を意識したトレーニング: 普段から1問20秒を目安に解く練習を取り入れ、スピード感を養いましょう。
まとめ
TOEIC Part 5は、正しい戦略と十分な対策を行えば、確実にスコアアップを狙えるパートです。 問題タイプを見極め、空所の前後から素早くヒントを探し、時間配分を意識して解き進めることが重要です。 日々の学習で文法と語彙の基礎を固め、多くの問題演習を通じて解答スピードと精度を高めていきましょう。 Part 5を効率よく攻略し、リーディングセクション全体のスコアアップを目指してください。
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